tokoproject.com

TOKO PROJECT

仮想通貨・ビットコイン・ICOに関連するブログになりました。トークン大好きです。

TOKOPROJECT

LIFE WITH CRYPTOCURRENCY

ソフトバンクのiPhone7の料金プランはギガモンスター登場後どれがお得なのか!!!スマホの料金!要望にお答えして記事にします。

スマホの料金ってやっぱりわかりにくい。。。でも安くしたい

f:id:toko926:20161031120940j:plain

※この記事はアフィリエイトではありません。

1万人以上の方が読んだ、こちらの記事を読んだ方々のアクセスを見ていると、こんな検索キーワードが多いんです。『ソフトバンク ギガモンスター お得か』

blog.tokoproject.com

その他のキーワードを見ても、既存のプランやパケットし放題フラットなど、ソフトバンクでiPhone7を使う際にどの料金プランを選ぶべきなのか迷っている方が多いみたいです。

スマートフォンの料金は当然ですが「利用状況によって変わる」ので、お店で料金診断をして最適なプランを提案してもらうのが1番なのですが、問題があるのは、

「ソフトバンクショップに行くと、不要なオプションの加入や機器の購入を勧められる」

「"確認してきます!"が多く、本当に知識があって、信用して良いのかわからない」

「ペッパー君が電気もウチに変えろ迫ってくるのが怖い ※ウソ」


などなどの理由があって、ソフトバンクショップに行く前に「最適な料金プランがこれだとわかってから行けば、最短時間で終われるはずだ」と思っている方は一定数いるはずです。(たぶん)

※ここまでできていればマイソフトバンクで変更可能なんですが、変更する時は間違いがないか店員さんに確認してもらった方が安心ですよね。変更の際に出力されるあの紙は、意外に安心できるんです。

ソフトバンクのiPhoneの料金プランを比較する

さぁ、今回もやります。料金プランの比較コーナー。今回の条件は以下の通りです。これ何パターンあるんだろう。。。完全版比較だと思います。。。

  • iPhone7の128GBを選択
  • 新規契約
  • 2年契約で端末は割賦(分割)で購入
  • 初期費用や下取りは度外視
  • 通話はする:"ホワイトプラン"、"通話定額"、"通話定額ライト"で比較
  • ソフトバンク以外への通話は1分/日=(30分/月)。月に1度だけ30分の有料通話があると仮定
  • 毎月のデータ通信量は3GB、5GB、7GB、10GB、20GBであると仮定
  • データプランは、フラット、データ定額ミニ(2GB)、データ定額(5GB)、ギガモンスター(20GB)の中で選択可能な最適を選択し、使用量に対してデータが不足する場合は追加で購入
  • オプションはテザリング、あんしん保証パック、基本パックに加入
  • 各種キャンペーンは度外視する(テザリングオプションなど2年間や永年無料がある場合は0円とカウント)

 全17パターンの比較です!

※本来3つの通話プラン×5つのデータパターンで15なんですが比較の為に2つ多しました。

ドン!

f:id:toko926:20161031131030p:plain

 見えませんね。。。ちゃんと説明しますのでご安心を。笑

1.毎月のデータ使用量が5GB以下の場合

f:id:toko926:20161031131327p:plain

毎月のデータ使用量が5GB以下と少ない場合は、以下のようになります。

・通話が多い方であれば定額になる『通話定額』+『データ定額 ミニ2GB』か『データ定額 5GB』の組み合わせがお得
通話が比較的少ない場合は通話を『ライト』にするか、『ホワイトプラン』+『パケットし放題 for 4GLTE』を選択するのがお得

2.毎月のデータ使用量が7GBの場合

f:id:toko926:20161031132031p:plain

これは、面白い結果になりました。「7GBはボーダーラインになることが予測された」ので、少しパターンを増やしてみました。その結果、通話定額プラン(ライトも含む)で7GBの場合は「ギガモンスターを選択してもデータ定額5GBにデータを2GB追加しても変わらない」という結果になりました。ホントよくできてますね。この事から、データを7GB以上使う場合は問答無用でギガモンスターが安くなります。

通話料との関係でいえば、7GBの場合は以下のようになります。

・通話が多い方であれば定額になる『通話定額』+『データ定額 5GBに追加2GB』か『ギガモンスター 20GB』の組み合わせがお得
通話が比較的少ない場合は通話を『ライト』にするか、『ホワイトプラン』+『パケットし放題 for 4GLTE』を選択するのがお得

3.毎月のデータ使用量が7GBを超える場合 (10GB,20GB)

f:id:toko926:20161031132537p:plain

この時点でパケットし放題フラットを選択すると圧倒的に損をすることになります。ギガモンスター一択です。

通話の関係は同じです。※ホワイトプランでギガモンスターは選択できない

・通話が多い方であれば定額になる『通話定額』と『ギガモンスター 20GB』の組み合わせ
通話が比較的少ない場合は通話を『ライト』にする

となります。こう見るとやはり「通話もデータも多いヘビーユーザーは優遇される」ということになります。

「こんなパターンも検証して欲しい!」というのがあればTwitterで教えて下さい!

 

【参考にしたリンク】

iPhone の料金・割引 | iPhone | ソフトバンク

オプション・割引 | 料金プラン | モバイル | ソフトバンク

iPhone 基本パック | 基本パックサービス | サービス | モバイル | ソフトバンク

テザリングオプション | オプション・割引 | 料金プラン | モバイル | ソフトバンク

追加データ(快適モード/制限モード) | オプション・割引 | 料金プラン | モバイル | ソフトバンク

ホワイトプラン( iPhone ) | ホワイトプラン | 料金プラン | モバイル | ソフトバンク

スマ放題/スマ放題ライト | 料金プラン | モバイル | ソフトバンク

以上!

 

【関連記事】

blog.tokoproject.com

blog.tokoproject.com

blog.tokoproject.com

 

IoT(モノのインターネット)ができる4つのコト。『モニタリング』、『制御』、『常時最適化』、『自律』から考えスマートに繋がる世界を理解する

IoTができる4つのコトからIoTをさらに理解しようとしてみる

f:id:toko926:20161031102758j:plain

これまで、説明してきたのは以下の通りです。

  • 働く人にとってIoTで何が変わるのか
  • IoTで製品やサービスがどう変わるのか
  • IoT最大の課題『データ』を取り巻くポテンシャルと問題とはなにか

本日の記事では、IoTができる4つのコト(特徴)を切り出し、IoTで全てのモノがスマートに繋がる世界をもう一度イメージしてみたいと思います。この4つを理解していくとこのシリーズの後半でお話しする事例をより理解しやすくなります。

IoTができるコト:その① モニタリングする

以前説明した通り、IoT時代のモノには、必ずの3種の神器が搭載されます。それは、『センサー』、『通信モジュール』、『コンピューター』の3つです。この3種の神器に加え、付加価値を付ける為にその他のセンサーやディスプレイなどが加えられます。

IoTの起点となるのは、「モノに付いたセンサーによる周辺環境や利用状況のモニタリング」です。具体的な例で見てみましょう。

f:id:toko926:20161031105804p:plain

この図では、左の女性の心臓に埋め込んだ心臓モニターと連動したスマートフォンのアプリケーションを通して「主治医がいる病院」「パーソナルヘルスケアサービスを提供する企業」と心拍数などのデータを常時共有しています。これがモニタリングです。ドクターの持つスマートフォンと連携させて、異常があった時はアラートが鳴るということも出来るでしょうし、パーソナルヘルスケア(健康状態の監視やアドバイスをする)の担当者も患者さんの状態を常に監視しドクターとケアプランを相談する、というようなこともできます。

心臓に埋め込まなくても、最近発売されたApple Watch 2は心拍計が内蔵されています。他にもネットワークに繋がってカラダの状態をトラッキングしてくれるデバイスはたくさん存在しています。これが1つのモニタリングの例です。

f:id:toko926:20161031111659p:plain

もう一つの例では、家庭に設置されたセンサーが家の中をトラッキングしています。室温や明るさなどをセンサーが感知し、そのデータを電力会社のサービスと共有しています。電力会社の制御システムや担当者はセンサーから集まった情報を元に、その部屋の状況を把握することができます。例えば、家に住む人本人も外部で部屋の状況を確認することもできます。この図には登場していませんが、カメラなどを遠隔で確認することができるIoTサービスは既にもうありますよね!

医療やスマートホームのIoTはこのモニタリングが特に重要になります。そして工場や交通網のIoTもモニタリングが重要です。設置した各々の機会が正常に作動しているか、異常はないか、センサーを通して常に確認しているのです。

IoTができるコト:その② 制御する

 

f:id:toko926:20161031111710p:plain

ここでは、スマートホームの例で説明します。室内に設置されたセンサーからの情報や、家主の在宅履歴などの情報を元に、電力会社の担当者は電気代が最も安くなるように室内のモノ(温度計や冷蔵庫など)を制御します 。例えば、

「家主がいつも夜7時に帰宅し28度ぐらいを好むことが過去のデータが分かっているので、その時間に間に合うように最低の電力消費量をで室温を調整するよう制御する」

 

このような例が『制御』です。『モニタリング』から得られたデータをつかって遠隔でモノを操作するのです。 この制御を使うことによって、カスタマーサポートが変わります。遠隔でも顧客の状況がモニタリングでき、さらに制御まで可能なので、オンサイトでサポートする必要がないのです。これはテスラ・モーターズの例ですね。

そして、アグリテックと呼ばれる農業へのIoT活用も機械とモニタリングと制御を活用し、働く場所がフィールドからバックヤードにシフトしつつあります。

IoTができるコト:その③ 常時最適化する

『常時最適化』には、自動制御システムが登場します。「モノから集まった膨大な利用データを解析し、どうすれば最適化できるかを導き出す高度なシステムが必要」なのです。これは、AI(人工知能)が担うでしょう。現在の人工知能は過去の膨大なデータを元に学習し、どんどん賢くなっているのです。(これを機械学習と呼ぶ)

いわば人工知能にとってデータはエサなのです。人工知能とIoTがよく一緒に語られるのはこれが理由です。非常に相性がいいのです。

常時最適化の具体的な例は、以下のようなものです。

f:id:toko926:20161031110801p:plain

「最近、しばらくの間、冷蔵庫が空だったたので、自動制御システムが電力消費量を下げるように温度を調整していたが、今日は家主が買い物に行ったことがカードの決済データからわかったので、金額から予測した買い物量に応じて冷蔵庫の温度を制御し調整した」

常に最適なのです。例の中で、利用者のカード利用状況が活用されていますが、これも利用者が同意さえすれば可能になるのです。FBIやCIAのドラマを見ていると、カードや携帯電話の使用履歴をトラッキングしている例がよく登場しますが、これもまさしくIoTです。同じことを生活に活かそうとすると、「どこで何を買ったかを把握し、自宅にの最適化を考え実行する」ことがIoTが行う『常時最適化』です。

IoTができるコト:その④ 自律して判断し動く

すでに登場した③の例でも実は自律的に繋がったモノ同士が動いています。これはまさしく『自律』なのですが、もう少しわかりやすい例を用います。

 

f:id:toko926:20161031114206p:plain

 この例では、ドクターはパーソナルヘルスケアの担当者は登場しません。自律した制御によって何が行われたか通知されるだけです。

「患者の心臓から発信された軽微な異常な兆候を検知した、自動制御システムは過去のデータから数日以内に心臓発作を起こす可能性が高い事を予測し、薬局に予防が可能な薬をドローンで患者まで運搬するように指示した。ドクターはその結果を元に患者にコンタクトを取り、パーソナルヘルスケアの担当者は病院の予約を手配した」

この例では薬局の薬の出荷までロボットによって自動化されていれば、完全な自律が完成します。重要なのは「患者には実際に心臓発作はもちろん、不快感などの自覚症状もない状態で全てが自動的に(人の手を介さずに)最適を目指すように実行された」ということです。

これがIoTが達成可能な『自律』です。自動運転車もこのような仕組みです。すべて機械が判断し最適になるように制御します。テスラ・モーターズは自動運転機能を使って、車を貸し出したり、自動でメンテナンス施設まで走行させたり、充電がなくなったら乗っていない間に充電スタンドまで走って行ったりという『フルオートメーション』を目指しています。これも人間が介在しないことで正確な判断や制御が可能になるのです。

最後のピースを埋めるのがソーラーシティです。「使っていない間は他のユーザーがアプリで呼び出し、呼び出しされた場所までモデルSがオートパイロット走っていく。そして、エネルギーはソーラーシティが提供するスタンドで勝手に充電する」という夢のような時代が間もなく来るようですね。

参考:イーロン・マスクのマスター・プラン2から、自動車産業の未来をまた(勝手に)妄想。ログインして住める車?人間はやっぱり運転禁止?ドローンが車にデリバリー?バスはなくなる? - TOKO PROJECT

"Cars are dangerous because humans drive them"

「自動車は危険だ、なぜなら人間が運転するからだ」

参考:2020年の市場投入?自動運転車がもうすぐ来る。未来の車社会の課題やインパクトを勝手に予想してみた。 - TOKO PROJECT

 イーロン・マスクは常々こう語ります。IoTの世界では人間がすることが変わりそうです。本日は以上です。

『モニタリング』、『制御』、『常時最適化』、『自律』がスムーズに行われると、まさに『未来のシステム』が出来上がるのです。これが、農場、工場やプラント、輸送、鉄道などの交通網、自動車、自宅、オフィス、小売、医療、スポーツ、などの生活や産業のありとあらゆるシーンに導入されます。そして、各シーンは独立して機能するわけでなく、それも繋がるのです。②の制御で登場した「クレジットカード使用情報と冷蔵庫の連携」などはまさにその一例です。

 

 

「注文しようと思ってボタンを押したら10秒後に届いた。頼むことが予測されていたのだ」

こんなことが起こるのがIoTとAIが成熟した世界です。

 

TwitterでIoTに関するニュースをキュレーションしてます!

 

次回の記事 

blog.tokoproject.com

 

前回の記事 

blog.tokoproject.com

 

 

IoT(モノのインターネット)最大の課題、ビッグデータについて<パート2> IoT時代のデータの標準化、資産化、流動化、所有権とは。

f:id:toko926:20161030125036j:plain

IoTの価値最大化の鍵はデータの解析と応用にある。その為の課題は?

 2回に渡って『IoTとデータ』についてお話しをしています。その理由は「IoTのパワーとは様々なモノがインターネットに繋がる事により、リアルタイムに収集されたデータから最適化を図る事ができる」ことであり、「その鍵はデータの解析と応用である」からです。つまりデータなくしてIoTはないのです。今回の記事でお話しするのは、以下の内容です。

  • IoTにおける、ビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか② 標準化
  • IoTにおけるビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか③ プラットフォーム
  • IoTにおける、データ流通プラットフォームやマーケットの役割
  • IoTにおける、データの議論 「企業が集めたデータは誰のものか」
  • IoTにおける、新しい専門家の必要性 データ専門弁護士 データデザイナー

IoTにおける、ビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか② 標準化

f:id:toko926:20161030124841p:plain

画像:SevOne IoTにおける標準化アライアンスバトルの様相

これは、現在世界の様々なIoTに関わるプレイヤーが議論を進めています。IoT時代にモノに搭載されたセンサーから集まるデータは多種多様です。ヘルスケア関連の例で、どのようなデータが収集され得るのか考えてみましょう。

  • 体温
  • 心拍数
  • 脈拍
  • 血糖値
  • 歩数
  • 睡眠時間
  • 消費カロリー

等々、挙げれば切りがありません。消費者としての生活でも数え切れない種類のデータがあり、更に産業分野まで及ぶと何千万〜億の単位のデータの種類があるでしょう。

もしこれらが、なんのルールのないままやり取りされ始めたらどうなるでしょうか。

データの種類×データの規格数=無限

 となってしまい、これでは「スピィーディに解析しリアルタイムに制御したりフィードバックを返す」なんてことはできなくなってしまいます。データの変換がブレーキになってしまうのです。この問題は国際的に話されていて、すでに乱立してしまった標準化をしようとしている団体をどう標準化するか、という課題をまずはクリアしないといけないのです。前回の記事でもお話ししたとおり、標準化は威信をかけた覇権争いでもあります。IoTに火がついた時には、既に時遅しで戦国時代になってしまっていたのです。

これはIoTを活用しようとする企業の中や、協力する企業間でも、最初に必ず「どの規格で行くか」合意がされるので、このようなクローズドな関係の中での標準化は問題ないのですが、問題はその後です。手探りで始めたIoT活用が軌道に乗り、「あのデータも購入し、解析範囲に入れたい」、「今ある自社のシステムにあの領域を加えたい」と次のステップに進む際に「その領域はデータの規格が違い、現在の単位当たりのデータ処理コストに加えこれだけコストが増えます」みたいなことが起こり得るのです。

IoTのデータはますますグローバルに海を超えて活用され、たくさんの点(ソフトウェア)を通り処理・活用されます。こえをスムーズに通り抜けるようにする為に標準化は欠かせないのです。データの規格だけでなく、データが通るネットワークや通信規格の標準化も必要です。IoT時代には低消費電力かつ低コストな広域ネットワーク(通称:LPWA)が必要です。これに向けて、『LoRa』という標準化団体の規格を採用したネットワーク網の整備が日本でも進んでいます。ソフトバンクがリリースを発表した『LoRa WAN』もこの1つです・

IoTにおける、ビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか②プラットフォーム

IoTを始める為のハードルやリスクをお話ししてきました。前回お話しした企業の課題とは、以下の4つでした。IoTに取り組まないことが最大のリスクだが、取り組み果実を実らせる為には確固たるハードルがあるのです。

  1. セキュリティ
  2. データ系人材の不足
  3. 社内の意識改革
  4. グローバルルールの整備

先行追加投資、セキュリティリスクなど、企業の意思決定者の腰を重くさせてしまいますが、これを軽くさせる為にどうしても与えたいインセンティブがあります。それは、「データの資産化」「データの流動化」による、新たな収益源の機会です。

ただ単に、「データを収集して、自社のビジネスがブラッシュアップできる」だけでは、不確実性が高すぎます。集めたデータをなんらかの形で「お金に変える手段」が明確に存在するのであれば、投資の回収を考える上では少し楽になるばかりか、これまでデータを収集してきたのに活かせてこなかった企業や、機会はあるが実施してこなかった企業にとってはIoTが大きなビジネスチャンスになり得ます。

さて、このデータの資産化と流動化にはどのようなステップがあるのでしょうか。

金融市場と同じように考えるとわかりやすいです。『資産』が価値を持つには『流動性』つまり自由に売却可能であることが条件です。これは株式においても、市場が存在し、そこで自由に売却できるから資産として考えることができるのです。譲渡に制限があったり、市場が存在しない場合は、この要件を満たさないのです。

データの場合も同じです。データが自由に譲渡(流通)でき、売買したい当事者を結びつける市場が存在して初めてデータが資産化するのです。これまで、企業が自社で活用する為に収集し、確かに利益に結びついていると考えられるたデータでも財務諸表の貸借対照表上でも資産として計上することはできませんでした。これは、市場が存在しないために価値が明確に判定できないからです。しかし、流動性がある有価証券のように、データが資産として財務諸表(経営者の通知表)に計上できるようになれば、経営者は積極的に取り組むでしょう。投資家も正しくその企業の実力を判断しやすくなります。これを実現することがハードルなのです。ITやテクノロジーの世界での整備、そして、財務・監査など金融に関わるプレイヤーの協力が必要なのです。

IoTにおける、データ流通プラットフォームやマーケットの役割

さぁ、キーワードは『市場』です。ITの世界では『プラットフォーム』と呼ばれることが多いです。さて、このプラットフォームにはどのような役割が求められるのでしょうか。マッキンゼーのレポートによると、大きく分けて6つ存在します。

  1. Building an ecosystem. (エコシステムを築くこと)By assembling multitudes of third-party participants, companies can increase the relevance of their own digital platforms.
  2. Opening up new monetization opportunities.(新しい収益化の機会を作ること)
  3. Enabling crowdsourcing.(クラウドソースを可能にすること)
  4. Supporting interoperability(データの互換性を支えること)
  5. Creating a central point of “discoverability.” (データの発見可能性を作ること)Marketplaces offer customers a central platform and point of access to satisfy their data needs.
  6. Achieving consistent data quality.(データのクオリティを担保すること)

    参考:Creating a successful Internet of Things data marketplace | McKinsey & Company

これは、このままでも非常にわかりやすいのですが、要するに、プラットフォーマーの役割は、以下の通り表現することができます。

「データの互換性や標準化、質の担保、ライセンスの発行などデータが資産化する為の要件を満たすよう支えつつ、データを売り買いしたり、解析したりというプレイヤーが参加しやすいように、使いやすい場所(市場・プラットフォーム)を作ること」です。

金融市場と同じです。「監査法人に公正であると承認された財務諸表と上場審査書類を審査し、証券を売りたい、証券を買いたい人を信頼がある中で取引させる」ことが役割です。

日本でもつい先日、このデータ流通プラットフォーム『Every Sense』がオープンしました。この図はわかりやすいですね。

 

f:id:toko926:20161030131958j:plain

参考:IoT情報流通市場「EverySense」ローンチカスタマー20社発表|エブリセンスジャパン株式会社のプレスリリース

この図では、上で出てきた、「クラウドソース」という言葉が登場しません。実は、データの売買の当事者だけでなく、もう一種類のプレイヤーが存在します。それは、データを解析・加工するような専門家や企業(サードパーティ)です。「データを買いたい!」という企業を増やす為には、その企業がデータを活用できるようにしてあげる必要があります。IoT立ち上げのタイミングで整備が進んでいない企業をこの市場に参加させる為には、そのようなサポートが必要です。そして、そのような企業の参加が遅れれば遅れるほど、データを売りたい企業にとっては、機会損失が生じる期間が長くなる為、プラットフォーマーはこのようなサードパーティと連携可能なエコシステムを築き上げることが絶対に必要なのです。

IoTにおける、データの議論 「企業が集めたデータは誰のものか」

f:id:toko926:20161030141154j:plain

上の図の左側で、「ヘルスケアデータ」、「車から得られるデータ」、「位置情報」、これらは「私達、消費者の身体や行動に関するデータ」が含まれます。テクノロジー業界ではながらく、「これらは誰のものか」という議論がされています。特にIoTが注目を集め始めてから議論が活発化しています。その理由は、既に何度もお話ししたとおり、「収集可能な範囲が増えること」、「複数のデータを解析することで、これまでよりも分かってしまうことが多い」のです。

例えばスマートホーム(家庭内に設置されるIoTデバイス)とヘルスケア(身体に付けるIoTデバイス)の情報を組み合わせたら、何がわかるでしょうか。

「この人は夜9時に帰ってきて、パスタを食べることが多いが、10時頃には血糖値が上がって、思考力や集中力が低下しているタイミングが多い」というような事までわかってしまうのです。もし、この人物が国家や企業の意思決定を行う要人であればどのようなリスクがあるでしょうか。そして、この人物が一般人であっても、セールスをしたい企業にとっては有用でしょう。ターゲティング広告(趣味嗜好によって表示される広告が変わる)なども活用したいデータでしょう。悪用も可能です。

こんな話を聞くと、消費者にとっては「気持ち悪いし怖いから収集されたくない」となってしまいます。しかし、そうなってしまっては、爆発的な経済の起爆剤になるIoTの発展が遅れてしまいます。そこで、この問題に対して問題提議と解決策の提案を行ってきたのがMIT所属するペントランドという人物で、彼は『データのニューディール政策』というものを2008年に提唱しました。その内容は以下のようなものです。

 

1.You have a right to possess your data. Companies should adopt the role of a Swiss bank account for your data.You open an account (anonymously,if possible), and you can remove your data whenever you’d like.(データの所有権は一般の個人に帰属する)

2.You, the data owner, must have full control over the use of your data. If you’re not happy with the way a company uses your data, you can remove it.All of it. Everything must be opt-in, and not only clearly explained in plain language, but with regular reminders that you have the option to opt out.

(データの使用や削除は提供する一般の個人がコントロールできる)

3.You have a right to dispose or distribute your data. If you want to destroy it or remove it and redeploy it elsewhere, it is your call.

(データの破棄も共有も一般の個人がコントロールできる)

参考:Toward a New Deal On Data 

 ペントランド氏は、一般のユーザーが「気持ち悪い」という感情を確かに持っている事、そして、それは健全なテクノロジー(IoT)の世界の発展を妨げる事を考慮し、データの所有権は個人に帰属し、フルコントロールできるようにすることを提唱しています。

彼曰く、「『もはやプライバシーなど存在しない』という考えは、明らかに間違っている」のです。

これには、産業会からは反対意見があるそうですが、現在の「とても細かい字でよくわからない専門用語が並んだ利用規約に同意する形式」はとても健全とは言えないでしょう。 

ペントランド氏は『オープンPDS(パーソナルデータストア )』という仕組みを使って、データの所有権が完全に個人に帰属した場合にどのような変化が起こるのか、イタリアのトレントで実験を行っています。その結果は「安心と信頼により、ユーザーはよりデータを共有し始める」というものだったそうです。この実験はテレコム・イタリアなどと共同で行っています。ユーザーがデータを共有することに同意しない、もしくはセンサーが付いたデバイスやサービスの利用を拒否することは、IoTを推し進めたい企業や国家にとっては大きなマイナスになります。

昨今、国家によるスマートフォンや通信へのアクセスについて議論がよく盛り上がりますが、データの所有権をユーザーにというのは、然るべきムーヴメントなのかもしれません。

IoTにおける、新しい専門家の必要性 データ専門弁護士 データデザイナー

f:id:toko926:20161030142450p:plain

画像:ABA Law Practice Today 

データに関連して新しい専門家の必要性が叫ばれています。まずは、よく登場するデータ解析のスペシャリストである、『データサイエンティスト』なのですが。あと2種類、ここまでお話してきた内容に関連して必要な専門家がいます。

まずは『データ専門の弁護士』です。ここまで述べてきた、セキュリティやデータの売買、そしてデータの帰属権に関して、これまでにはなかった類いの訴訟や、契約関係の整理、同意形成の必要性など、様々な法律×データに関する争いや業務が増えると言われています。企業はこの類いのデータ専門の弁護士や法律のスペシャリストと密な連携もしくは雇用する必要性があり、そうでなければ、膨大なリスクを抱えてしまいます。全てが繋がりデータがやり取りされるIoTの世界では、リスクも広く深くなるのです。データの漏洩に関する賠償はクオカード500円では済まなくなるでしょう。

 

そして、前回お話した、企業の中でIoTとデータを活用する為に解析されたデータを言語やデザインで翻訳する『データデザイナー』的な人材も必要になります。これは、データソリューションを提供する企業が担う可能性もありますが、企業の中においても理解できる人物がマネージメントを担う事でオペレーションにおけるIoTベースの業務、つまりデータ・ドリブンなオペレーションの成否を分けます。下の画像は農家にIoTソリューションを提供するオンファーム社が提供するダッシュボード(必要なデータを一目で確認できる画面)のユーザーインターフェースです。機器に付帯するセンサーから集まったデータはこのように、理解可能な形に翻訳される必要があるのです。このデザインをデータサイエンティストと連携し業務に落とし込める専門家がこれまでよりも多く必要になります。

f:id:toko926:20161030142055p:plain

参考:オンファーム社

本日は以上です。次回は『IoTができる4つのコト。その特徴を言葉から捉える』というテーマでお話ししたいと思います。

 

次回の記事はコチラ

blog.tokoproject.com

 

前回までの記事

blog.tokoproject.com

blog.tokoproject.com

【保存版】ランニングが速くなる為に効果があった10のコト。量より質なトレーニングと回復への意識。ランニングウォッチを持つ意味。

走って、学んで、改善を繰り返して、速くなったぞ。ランニング

ランニング速くなったぞ!!!!ということで、このブログを書き始めてだいたい半年(雑なカウント)なのですが、トライアスロンに向けたトレーニングをずっと継続しています。実に半年のランニングの総走行距離。。。

1,112kmです! ※目標の2,000キロはもう放棄

f:id:toko926:20161028204943j:image

 

月に150~200キロを走ってきたことになります。運動不足状態からだったのに、よくケガしなかったなと。。。これに、バイクやスイムが加わるので、かなり頑張りました。朝4時に起きて走って、7時から自転車漕いでみたいな生活を一時期はしていました。

その成果もあって、この半年で10km走を6:00/分→4:00/分(ランだけの時のタイム、スイム→バイクの後は4:30/分)まで縮めることができました。これはかなり自分でも評価しています。ちなみに10kmを走るオリンピックディスタンスのトライアスロンでトップ選手、ハビエル・ゴメスやアリスター・ブラウンリーは30分(3:00/分)を切ってきます。でも、あと5年ぐらい死ぬ気でやれば辿り着けるんじゃないか!と思って・・・きません。絶対無理。

遠回りしすぎ。効率的なランニングのトレーニングとは

f:id:toko926:20161028205215j:plain

しかし、今思うとかなり遠回りでした。もっと効率良くトレーニングできたはず。そして、このトレーニング量を長期に渡って維持するのは無理で、効果的でもない。ましてや、早死する。という事で、半年を振り返ってみて、速くなる為に効率的な方法やTipsを10コ書き出してみました。それぞれ解説していきます。

  1. 長距離(LSD)はリラックスの為にだけ行う
  2. トレーニングは高強度(高心拍数)を中心に HIITのススメ
  3. 普段の活動量(低心拍数)を増やす
  4. ランニングが効率的に速くなるには、心拍計は絶対に必要 
  5. エネルギー代謝のメカニズムを知る 普段は脂質が命
  6. 食べ物は消化に徹底的に拘る 消化で回復の邪魔をしない
  7. トレーニングより回復が重要と知る ゴミを食べない
  8. 陸に拘らず水や山でもトレーニングする クロストレーニングの効果
  9. 走る自分と体幹を通る線を客観的にイメージする
  10. ヨガをする 呼吸・柔軟性・メンタリティにおいて相性がいい

1.長距離(LSD)は非効率?リラックスの為にだけ行う

f:id:toko926:20161028204840j:plain

画像:www.tattoogen.com 

20kmなどの比較的長距離をスローに走るトレーニング法である、ロング・スロー・ディスタンス走(通称:LSD)は確かな効果があるトレーニングで、トップのマラソン選手も採り入れている方法です。とにかくゆっくりで、1キロを約7分以上掛けて、細かい歩幅で走ります。人によりますが、一般的なランナーなら心拍数はかなり低く、120-130BPM/分ぐらいでしょうか。ランナーが走る為には血管を通して、酸素を筋肉に送り続ける必要がありますが、この繊維を増やしたり、心臓が酸素を送る能力を高める効果があります。

僕も最初の頃はLSDで、1週間に70~80km程走ってしまっていました。しかし、LSDは部活で取り組む選手や、フリーな時間がある人はいいのですが、20kmという長距離だと2時間以上の長時間のトレーニングになります。トレーニングの前後を含めると多分4時間程度。これは社会人や家族を持つランナーにとっては持続可能性が低いです。そして、長時間の有酸素運動は活性酸素がたくさん体内で出るので、ゆっくりとは言えダメージが残り生活に影響が出やすいです。僕は一般の人には、LSDが効率的なトレーニングだとは思いません。しかし、低速で調理を走ると糖が消費され、脂肪がエネルギーとして消費され、ケトン体が出て、脳がとても心地よくなります。これで、リフレッシュ効果はあるんです。景色をゆっくり楽しんだり、友人と話しながら走ったりなどを求めて、LSDをやるのはイイと思います。

2.トレーニングは高強度(高心拍数)を中心に HIITのススメ

f:id:toko926:20161028204749j:plain

画像:Metro Fitness

じゃあどうするの!?というトレーニングの具体的な内容については、その真逆です。短時間で(超)高強度なトレーニングを中心に行います。これは日本人の田畑泉さんという研究者が生み出した『タバタ式』とも言われる方法なのですが、20秒程度を全力で動き、10秒休むの1セットを6~8セットほど繰り返します。この超高強度とは具体的にいうと、最大心拍数(年齢によるが約180ー200BPM/分ぐらい)が出現する強度になります。本当に全力疾走のレベルです。

かつては、長距離走に使う遅筋や、長距離走るための心配能力は、中低強度のトレーニングでしか鍛えられないという説が強かったのですが、高強度トレーニングでも(むしろ高強度の方が)スタミナやスピード強化に繋がることがわかりました。特に成長ホルモンの分泌がカラダの強化には強く影響していて、高強度だと成長ホルモンの分泌が高まるのです。これで、心配能力も筋肉も高まるように、カラダが成長しよう動きだすのです。

このタバタメソッドはアメリカでも『HIIT=高強度インターバルトレーニング』として、「タバタ」の名前が付いたトレーニングジムも登場しています。詳しくはコチラ。スピードスケートの清水選手なども現役時代に行っていたトレーニングです。

僕は一時期伸び悩みを起こしたのですが、これで一気に速くなりました。そしてトレーニングの頻度を落とせた(むしろ、落とさないとケガする強度)ので、時間に余裕が出来て、ブログを書く時間が長くなりました。笑

3.普段の活動量(低心拍数)を増やす

f:id:toko926:20161028204608j:plain

画像:stretchpole-blog.com

LSD、つまり長時間のトレーニングを止めた代わりに、普段の生活を変えました。普段の活動量を増やしました。車やタクシーは減らして、歩く、エスカレーターを止めて、歩いて登る、などです。これは実はLSDに相当する効果があります。2時間走る代わりに2時間多く、速く歩くのです。持久系のトレーニングにおいて最も重要なのは後でも説明しますが、心拍数です。これがトレーニングの目的を決めて「どの心拍数で走るか」とするのが正しいトレーニングの選択です。例えば、高強度なら170-190以上、LSDなら120ぐらい、本番を想定したトレーニングならAT(無酸素性酸素閾値)で140-160ぐらい、と心拍数ベースで選択するのです。この心拍数のゾーン(ZONE)に合わせてトレーニングを設計するのをゾーントレーニングといいます。闇雲に走る前に、これを知っておけばよかったな、と思います。

4.ランニングが効率的に速くなるには、心拍計は絶対に必要 

f:id:toko926:20161028204455j:plain

画像:Obstacle Course Training

ここまで書読んで頂けば、ランニングの強化に心拍数のコントロールがとても重要なことはお分かりいただけたかと思います。トレーニングは心拍数ベースで設計すべきなのです。そして、心拍計が必須な理由は他にもあります。強調したいのは3つ。

  1. カラダのダメージ度合いを心拍数で管理する
  2. 心拍計がないと、レースでのペースマネージメントはできない
  3. トレーニングを楽しむ為の心拍データの活用

つめに、心拍計を使い始めるとある変化に気づきます。それは、体調やダメージが残っていると安静時でも心拍数が高くなるのです。これは回復の為に心臓が必要な酸素を送り込んでいる為で、安静時の心拍数は60-70でもダメージが強かったり、体調が悪いと80ぐらいまで上がるということがあるのです。これを把握していれば、コンディションに合わせてトレーニング計画も微調整できますし、前のトレーニングがどの程度カラダにダメージを与えたのか、更にいうと、食べモノや睡眠の質による回復の度合い、も観察することができます。長距離のトップ選手たちは、毎朝いくつかの数値を測定するのですが、その中に心拍数は必ず含まれます

つめに、レースでのペースマネージメントです。マラソンのレースのスタート見ているとスタートと同時に選手が左の手首を触っています。ゴールも同じです。あれは「GPS機能付きの心拍計のスイッチをオンにしている」のです。人間は先ほど登場したAT(無酸素性酸素閾値)を超えるペースは維持できません。その為に、「ギリギリ維持できるペース」をウォッチしながら、心拍数と自分の感覚を頼りにレースでのペースをコントロールしているのです。これは、レースだけじゃなくトレーニング中も必要で、目標心拍数をモニターしていなければ狙った効果は得られません。心拍数は気温や体調で変化するので、観察できるようにしておく必要があります。僕は早期に心拍計を買えたので、この点は非常に良かったです。

つめに、すでにお話した2つのことをトレーニングに採り入れ始めると、ランニングのトレーニングが、科学になります。ビジネスのように計画→実施→効果の確認→修正というサイクルを回せるようになるのです。何より「トレーニングの効果が目に見えるように」なります。心配能力が強化されれば、同じペースで走っても、心拍数は上がらなくなり、持久力、スピードともにトレーニングの効果があったことを、数字で確認することができるのです。これは絶対に楽しくなり、トレーニングを継続するモチベーションにもなるでしょう。コーチを付ける時も、心拍計によるデータがあると会話しやすいです。

これがランニングに心拍計が必須だと考える理由です。

僕がオススメするのは3パターンです。予算によって異なります。

1.GPS付きのランニングウォッチ+胸ベルト式心拍計:高い(6〜8万)

2.Apple Watch 2 +胸ベルト式心拍計:まぁまぁ高い(5万程度)

3.胸ベルト式心拍計+スマートフォン:安い(1万程度)

定評があるのは、ガーミンのこのモデル。

 1.であればガーミン(GARMIN)ポラール(POLAR)です。※POLAR安くなってる。。。多分新商品出るのかな。 このポラールのモデルはトライアスロンの世界チャンピオンのハビエル・ゴメスが使っているモデルで、信頼度抜群です。ガーミンも瀬古利彦氏が監督するDeNAのランニングチームで採用されていますし、最近良く見ます。同じく信頼できます。

2.アップウォッチ2からGPSが内蔵されました。もともとアップウォッチ1から心拍計はついています。お借りして試しましたが、ランニングにおけるこの心拍計はまったく信用できません。その為、信頼がおけて、数字が安定しやすい胸ベルトが必要。これは1万円以下で購入できます。これも上の2社のどちらかでいいでしょう。POLARならH7でしょう。ランニングと連携したアプリを使って、数字をウォッチ上に表示させます。記録はアプリケーションで保存します。

3.の場合は2のようにウォッチ上で確認するのではなく、胸ベルトにBluetoothで繋がったスマートフォン上で心拍数を確認します。これは、胸ベルトさえあればできるので、1番安上がりです。お金が出来たらウォッチタイプを買うのもいいでしょう。

GARMINもPOLARも色んな価格帯のモデルがありますが、どうせ買うならGPS+心拍計のモデルがいいと思います。

5.ランニングに必要なエネルギーの代謝を知る 普段は脂質が命

f:id:toko926:20161028204341j:plain

画像:plus.google.com

ランニングが速くなる為の要素はボディ(車で言えば車体)だけではありません。エネルギー(車で言えばガソリン)も重要な要素です。人間のカラダは、"糖質"(主に炭水化物に含まれる)、"脂肪"、"たんぱく質"を動力にして動くことができますが、走っている時は、糖質と脂質で走っています。その2つのエネルギーの消費のバランスはその強度によって異なります。高強度であれば糖を多く消費し、低強度だったり糖質の量が少なくなると脂質を多く使うようになります。走っていて、「もうムリ」と感じるのは、筋肉の疲労もありますが、「エネルギー切れ」が大半です。

さぁ、ここで重要なのは、「何をどのタイミングで食べるべきなのか」を知ることです。これはトレーニングでもレースでも重要になってきます。この話しは1冊本が書けるトピックなのですが、結論を言うと、以下の通りです。水分補給に加えて、

運動:消化・吸収に負担を掛けない単純な糖類(果物やうどんなど)

運動:更に、負担を掛けないジェルやバー、バナナなど

運動:同じく消化・吸収に負担を掛けないが、吸収が緩やかな糖質(玄米や緑黄色野菜など)+幅広いジャンルから5大栄養素ビタミン・ミネラル・たんぱく質を摂ること。特に消化負荷が高いモノを避け、活性酸素を除去してくれる抗酸化物質を多く含む緑黄色野菜をたくさん摂ること。 

そして普段:"良質な"脂質を摂ること。ココナッツオイルやオメガ3系の脂肪酸。ココナッツオイル以外の植物油脂を避ける(酸化が酷い)こと、脂質は細胞の原料になり、酸化した脂質で出来た細胞で構成されるカラダは燃費が悪い。(病気にもなる)

6.食べ物は消化に徹底的に拘る 消化で回復の邪魔をしない

f:id:toko926:20161028204245j:plain

画像:SlideShare

もう半分ぐらい書いてしまいましたが、ランナーが食べ物を選択する際に最も重要な要素のは、"消化"です。消化負荷が高い食べ物は、残留していればガスを出し痛みを発し、回復に必要なエネルギーを消化で浪費します。「トレーニングの後は適切に回復しないと、カラダは強くならない(超回復が起きない)し、次のトレーニングセッションができなかったり質が下がる」のです。騙されたと思って、消化に良いものを徹底的に選んで見てください。驚くほど回復が早くなります。もちろん「よく噛む」ことも同様の効果がりあります。「何が消化に良いのか、どう選べばいいのか」はみなさんご存知かと思いますが、もし知りたければ、英語であればこちらの本、日本語であればこちらの本に書いてあります。 

7.トレーニングより回復が重要と知る ゴミを食べない

f:id:toko926:20161028204209j:plain

画像:Kettlebell Bombshell

すでに大部分の内容を書きましたので、簡単に書きます。「いくらトレーニングをしてカラダに負荷をかけても、回復を行わなければとても非効率になります。時間のムダです」というのはわかるのですが、回復とはつまり栄養と休養です。休養は完全に休む「消極的休養」と活動量を下げたり、強度を落としたトレーニングに限定する(例えばフォームチェックなど)「積極的休養」+睡眠で構成されます。

僕は積極的休養を多めにしています。そして、栄養とはつまり食べ物です。っかくトレーニングをしてもその後の食事でカラダの為にならないゴミをカラダに入れても、トレーニングで壊れた細胞を修復し強化する為の原材料にならないばかりか、むしろカラダに消化負荷だけ掛ける害になるのです。若い頃に部活後にコンビニでフライドポテトを食べていた自分を叱りたいですね。

ここまで考えてトレーニングを積むと、掛けた時間と負荷を最大限活かすことができます。ランナーの栄養に関する本は上の2冊でも良いですし、Kindle Unlimited(1ヶ月無料で読み放題)で読めるランニング・スタイルなどの雑誌に頼るのもいいでしょう。キンドルならバックナンバーも定額で読み放題。他にも、この手の本はたくさん出版されているので、立ち読みでもいいでしょう。ターザンの長友佑都選手の連載もおもしろいですよ!!!

8.陸に拘らず水や山でもトレーニングする クロストレーニングの効果

f:id:toko926:20161028204121j:plain

画像:Total Women's Cycling

これはクロストレーニングと言われる方法です。足をケガした時に水泳やバイクのトレーニングをしたり、山でトレイルランニングのコースを走ったり、リハビリ的なトレーニングをしたい、もしくは普段使わない筋肉やカラダの部位を使いたい、という目的で行われます。僕が上の2つ以外にクロストレーニングがいいと思う理由は2つです。

  • 負荷を短時間で掛けやすい
  • リフレッシュになる

水中は水の圧力によって、進むのが大変です。水泳だけでなく、水中ランニングをトレーニングに採り入れているトライアスロンの選手は多いです。これは、ケガがし辛く、短時間で心臓に高負荷を掛けやすい事が理由です。トレッドミル(ランニングマシン)や道路での高速走行はカラダにダメージが大きくケガのリスクも高いです。僕は怪我する前に水に入るべきだと思います。ケガの防止にも繋がります。

また、山など、標高が高いところは、酸素が薄く、これも心配能力を高める為に、効果的です。最近は陸地でこの効果を得るために、高地トレーニングのマスクをしている人も多いですね。

そしてクロストレーニングの良さはなんといってもリフレッシュです。ランニングは特にパターンが少ないので、飽きを避ける為にもいいのです。モチベーションを落とさず、だらだらトレーニングをすることを避けるのは大事です。

 9.走る自分と体幹を通る線を客観的にイメージする

f:id:toko926:20161028204005j:plain

画像:Reflections - by Sundeep

ちょっと上級編です。体幹トレーニングはもちろん重要です。鍛えた体幹をランニング中に活かす為には、「自分が走っている姿をイメージしながら走ること」です。これはちょっと難しいのですが、「今自分の軸がどうなっているか」、頭のてっぺんから、背骨、そして股関節を通る線上に柔らかい棒が通っているとイメージして、走りながらその棒がイメージした通りに動かせるように感覚を掴むのです。これをすると着地も含めたカラダの細かい動きにも感覚を巡らせることが出来るようになってきます。

力が抜け、ラクに長距離を走る為には、カラダを効率よく動かす必要があるのですが、その為にも、これはいい方法です。いわばリアルタイムイメージトレーニング。フォームも安定しキレイになります。

10.ヨガをする 呼吸・柔軟性・メンタリティにおいて相性がいい

f:id:toko926:20161028203820j:plain

画像:Pinterest

ヨガはランナーと非常に相性がいいです。ヨガで重視する、呼吸に意識を向け、カラダの状態を確認するというプロセスや柔軟性の向上。そして、自分と向き合う時間は、ランニング中にもやってきます。人間のカラダは防衛反応で、「辛い!という感覚を、かなり保守的に早く出します。ランニング中、辛さを感じた時に、自分の状態を客観的に見極め、意思決定(スピードダウンや補給、そしてリタイア、逆に奮起など)ができる事は、ギリギリの状況の中で、確実にタイムを早くする要因になります。

不思議なのですが、伸び悩みをした時は、トレーニングを前後にヨガタイムを作ると、壁を超えることができます。

 

※この記事はアマゾンアソシエイトプログラムを利用しています。 

 

関連記事

blog.tokoproject.com 

blog.tokoproject.com

 

 

IoT(モノのインターネット)最大の課題、ビッグデータについて<パート1> IoTにおけるデータの役割とそのポテンシャル。ビッグデータ活用のハードルを解説。

f:id:toko926:20161028170217j:plain

IoT(Internet of Things)におけるデータは最大の課題であり最大のポテンシャルを持つ

前回の記事では、IoT(Internet of Things)のイメージを持って頂く為に、「働いている人にとってはIoTってどんなとこがポイントなの?」というお話しをしました。すべてを語り尽る事は不可能なぐらい、幅広く大きな影響が出るIoTについて、少し理解やワクワク感がお伝えできていれば幸いです。

そして、今回のテーマは『データ』です。すべての"モノ"(デバイス)がインターネットに繋がり、その"モノ"に付いているセンサー(ジャイロセンサー、光学センサー、音センサーなど)から集めれる膨大なデータはその桁や単位効いてもイメージできないほどのサイズです。そのサイズカバレッジ(データを取得する範囲)故に、『ビッグデータ』と呼ばれ、これは一種のバズワードになりました。しかし、IoTもビッグデータも一時の流行語ではなく、今後スタンダードな存在になります。そのデータについて、本日の記事と次回の記事では、以下の内容についてお話しします。今回は太字部分を。

  • IoTにおける、データの役割とは すべての起点になるセンシングとフィードバック
  • IoTにおいて、ビッグデータが大きなポテンシャルを持つ理由
  • IoTにおける、ビッグデータ活用の現状とプレイヤー(新旧融合)
  • IoTにおける、ビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか① 企業の準備
  • IoTにおける、ビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか② 標準化
  • IoTにおけるビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか③ プラットフォーム
  • IoTにおける、データ流通プラットフォームやマーケットの役割
  • IoTにおける、データの議論 「企業が集めたデータは誰のものか」
  • IoTにおける、新しい専門家の必要性 データ専門弁護士 データデザイナー

IoTにおける、データの役割とは すべての起点になるセンシングとフィードバック

f:id:toko926:20161028170350p:plain

画像:Discovering Identity 

IoTにおいて、データとは価値を形成する為に必要な基盤になります。IoT時代における"モノ"とは以下の3つを必ず備えます。これはIoT時代の"モノ"の基本です。

  • センサー:情報を捉える
  • コンピューター:情報を処理する
  • 通信モジュール:情報を送る

これまでの"モノ"は必ずしも、この3つを備えていたわけではないのです。例えば、現在のトイレには1つもついていませんが、これからのトイレはこの3つが付き、「センサーで状態を捉え、送れる状態に整え、クラウドに送信し、分析の結果、健康状態をユーザーにフィードバックする」ということが実現します。この流れはIoTの基本の流れになります。

※注:例えがトイレなのは、たまたま私が今トイレに行きたいのを我慢して本稿を執筆しているからです。以降、「うんち」という言葉を使い、例示において多数登場する可能性があることに、ご了承頂ける場合のみ、読み進めてください。

 

 この"クラウドに送信"までの3つのどれが欠けてもIoTは成立しません。その次のステップである、"分析""フィードバック" できないのです。このうんちをセンサーで状態を捉えること、"センシング"といいます。そして、得たデータを分析し役に立つ情報やアドバイスユーザーに返すことを"フィードバック"、といいます。

本件で言えば、センシング:「今日は硬いね」→フィードバック:「繊維のある食べ物を食べよう」だったり、センシング:「最近、黒いね」→フィードバック:「胃にピロリ菌がいる可能性があるから検査しよう」となるわけです。※うんちが

 

このフィードバックにおいては、膨大なデータが収集できることが、分析の正確性向上や新しい知見の発見に繋がるわけなのですが、このセンサーなくして成立しません。センサーがなく、有用なフィードバックがなければ、ユーザーはトイレをインターネットに繋ぐことはしないですし、うんちのデータも提供しないでしょう。このセンサーの有無とその質はとてもとても重要なのです。

また、通信モジュールについては、能動的にインターネットに繋がないとデータが収集できない状態はIoTではありません。常時繋がっていることが重要なのです。これからのモノにはこの3種の神器に加えて様々なモノが搭載されます。例えば、ディスプレイがあるものは、「今日のうんちは硬いね、繊維のある食べ物を、宅配で頼めるウェブサイトとそのメニューはコチラ。到着までの時間は現在だと15分です」というようなことができます。これは、モノがインターネットに常に繋がっているから可能なのです。

※注:ちなみにうんちが硬い時に本当に繊維のあるものを食べるのがいいかは、これからトイレがIoT化し、たくさんの人がこのサービス(まだないですが)を利用することによってわかっていくでしょう。(筆者予測)

IoTにおいて、ビッグデータが大きなポテンシャルを持つ理由

前回の記事にも書いた通り、"モノ"がインターネットに常に繋がっていて(コネクテッド)データを集め活用することにより、「新しい形態のサービスを提供する」「予測に先回した能動的なサポートを提供する」「遠隔で制御し最適化する」というようなことが可能になります。これらは"自社で"のデータ活用です。自社のサービスを向上させ、競合に優る為に、コアコンピタンス(競争優位の源泉)を築くのです。

f:id:toko926:20161028170538j:plain

画像:EngineersGarage もうある・・・?

上記のうんちの例でいけば、例えば、例えばですよ!TOTOが「コネクテッドトイレ」をリリースし、"うんち分析サービス"をはじめれば、それは新しいサービスで顧客にプラスの価値を提供します。そして、ユーザーに同意をとった上で、医療系のサービスと連携し、「あなたのうんちのデータを日々分析した結果、統計的にこのまま行くと、来週あなたは痔になります」というアドバイスをすることもできるでしょう。全国のトイレから送られた膨大なうんちのデータを医療機関にある痔の患者と結びつける事で、実現可能になるのです。これはINAXとの競争において大きな競争優位を生み出します。僕はTOTOを選び2度と離れないでしょう。

これだけでもスゴいのですが、これだけではないのが、IoT時代におけるデータのビジネスポテンシャルです。同時に大きな課題を生み出します。この膨大なうんちのデータ欲しいのは、TOTOだけではありません。大学や政府系の研究機関、製薬会社など、医療やヘルスケア分野のプレイヤーも欲しがるでしょう。マニアもいるかもしれません。そう、「集めたデータを売れる」のです。

自社活用だけでなく、更に売れるとなれば、多くの企業が"モノ"を"Connected"にする為にIoT投資を行うインセンティブになります。特に電力会社やタクシー会社、鉄道会社等々、膨大なデータを収集する機会がある企業にとってはとても重要なビジネスチャンスになります。1億人が1日2回のうんち、つまり2億件の人間の代謝データが集まるTOTOも大きなビジネスチャンスになるでしょう。

※注:筆者の勝手な意見であり、TOTO社への投資を促すものではありません。

IoTにおける、ビッグデータ活用の現状とプレイヤー 新旧融合が起きる

f:id:toko926:20161028170702j:plain

画像:Caterpillar

では実際にこのデータはIoT時代に差し掛かる現在までにどれほど活かされていたのでしょう。その答えはほぼゼロに近い数%です。マッキンゼーのデータによるとオイルの採掘場では30,000のセンサーが設置されているが、活用されているのは1%だそうです。

Currently, most IoT data are not used. For example, on an oil rig that has 30,000 sensors, only 1 percent of the data are examined. That’s because this information is used mostly to detect and control anomalies

参考Unlocking the potential of the Internet of Things | McKinsey & Company

※注:突然、うんちからマッキンゼーになりましたが、マッキンゼー社の記事や例示にはうんちは登場しません。

 

IoTの導入支援とビッグデータ解析事業を提供するアメリカのスタートアップ企業であるUptake Technologies(アップテイク・テクノロジーズ)も同じく、「鉄道などのメジャーインダストリーには既に大量の有効活用なセンサーが設置されているが、99%は有効に活用されていない」としています。

More than 99% of operational data collected from modern equipment goes to waste.

参考:Uptake Technologies(アップテイク・テクノロジーズ)

 

f:id:toko926:20161028170808j:plain

画像:Chicago Inno

実はこのUptake社、まだ設立されて2年ばかりの新興企業です。しかし、その企業評価額は10億ドルを超えるユニコーン企業です。秘密主義なUptakeなのですが、公開されているパートナーの1社は、年商550億ドルを誇るキャタピラー社です。とても歴史のあるレガシーな企業です。これらのレガシーなメジャーインダストリーの企業はデータの宝庫です。センサーやデータ解析などに投資する体力もあります。しかし、データ解析やデータを企業のビジネスモデルやオペレーション改革に活かす専門家はいません。

一方、Uptakeのようなデータ解析を得意とするテクノロジー企業は、「データの量と利活用の場」を求めているのです。このような新旧融合の例はこれからも増えるでしょう。特に、後述する、「データを流通させる、マーケットやプラットフォーム」を通して、その融合や協業は行われます。うんちのデータを持つトイレ企業とデータ解析企業が連携するのです。これがIoT時代のコラボレーションです。

IoTにおける、ビッグデータ活用のハードルがなぜ高いのか① 企業の準備

f:id:toko926:20161028171331j:plain

ここまで説明してきた通り、IoT時代のビッグデータ活用にはとてもポテンシャルがあります。しかし、企業が実際に実行し、効果を出すとなるとかなり大変です。その理由は4つあります。

  1. セキュリティ
  2. データ系人材の不足
  3. 社内の意識改革
  4. グローバルルールの整備

1つずつ説明していきます。本ブログでは各要素について、あまり詳細な解説は致しません。

セキュリティ

まずはなんと言ってもセキュリティです。世界でIoTの普及に取り組むプレイヤーが揃ってセキュリティが課題であることを口にします。なぜセキュリティが課題になるのか、それは「コネクテッドになるモノがあまりに多く、攻撃対象になる数が多すぎる」こと「すべてが繋がっている事により、侵入された時のリスクが広範囲」で、「扱うデータの機密性や活用されている領域によっては甚大な被害が出る」ことが理由です。

とても便利になるポテンシャルを秘める一方、悪用される時は負のポテンシャルも大きいのです。先日もアメリカでインターネットが広範囲でダウンする攻撃がありましたが、これもネットに繋がった監視カメラが入り口だったと言われています。このような、大きなリスクがある場合、どうしても企業の意思決定者は躊躇します。IoTに取り組まないこと自体が大きなリスクですが、乗り越えるべき壁は大きいのです。

データ系人材の不足

次に、よく言われる「データ系人材の不足」です。主に"データサイエンティスト"と呼ばれる分析に長けた人材なのですが、それだけではありません。分析の後には活用が控えています。この活用の際に「ただ数字を見せられただけ」では、その数字の意味や意図は伝わりません。人々に伝え、動かす、"デザイン"が必要なのです。このサイエンティストと協働してオペレーション改革ができる、データ×デザインの人材も不足しています。そして、既に述べたセキュリティ系の人材もこれからはニーズが高まります。特にハッカーがAIを使ったハッキング攻撃を行えるようになると、ハッキングを防ぐ為のAIを開発するセキュリティエンジニアも必要になるでしょう。

社内の意識改革

社内で働く人たちの意識改革が必要です。IoT時代には仕事の仕方が大きく異るのです。前回の記事でも書いたような、「部門やプロセスを大きく跨いだ開発やサーポート」が必要になるのです。そして、セキュリティへの意識もより必要になります。ポリシー違反の自分のデバイスを業務に持ち込んだり、私用のメールアドレスを公務に使ったりすることで、「原子力発電所にアタックされた」のような可能性が、これまでよりも一層高まるのです。

ここまでは、よくある話なのですが、特に必要な意識の改革は「データベースドな判断」ができる組織になる必要があります。すでに述べたデータサイエンティストやデザイナーは大きい次元でのデータの分析や、大きなルール(オペレーションデザイン)を定義しますが、更に細分化された業務の中でも、「訳された共通のデータと共通のルールに基づいて判断を行わないとチグハグになり、効果が最大化されない」のです。

これを文化として浸透させるのは大変です。人間の判断にはどうしてもバラツキが出たり、遅延が発生します。人間の限界を回避し、IoTのリアルタイム性を最大限活かす為にAIを使って人間を出来る限り、苦手な領域から排除する動きもこれから進むでしょう。

グローバルルールの整備

これは企業が乗り越えるべき課題というよりも、企業の準備を遅らせる要因です。ルールがないところでは、手探りですすめるしかありません。IoTはまだまだ未整備な部分が多いのです。

センサーから集まった膨大なデータが世界を行き交う中で、IoTのインパクトを最大化するために必要なのは、「データの方式や通信方法などのルール」です。とにかく、スムーズにデータをやり取りする為にはこれが欠かせないのです。

例えば、身近な例でも旧式のエクセル→最新のエクセルが起こす対応フォーマットの修正などにより、不毛な時間を取られた経験はあるでしょう。これは、リアルタイムな制御や最適化を狙うIoTの世界では必ず乗り越えないといけない壁なのです。

この標準化は覇権争いでもあります。企業や国家間でどのフォーマットや方式が覇権を握るのかは協力もありつつも熾烈です。以前、イギリスのEU離脱とIoTの関係については、インダストリー4.0(IoTを使った第四次産業革命)を主導するドイツとの関係悪化だと本ブログで書きましたが、ルール策定は大きな経済的利益の行方を占うので、必ず政治が絡み、長期化するのです。IoTの普及がさらに進むためには、標準化を含めたルールの策定(グローバルな)をとっとと済ませる必要があるのですが、まだ時間は掛かると言われています。

 

本日は以上です。

次回の記事 

blog.tokoproject.com

前回の記事

blog.tokoproject.com