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IoT(モノのインターネット)消費者にとっての変化は?利便性と引き換えに差し出すモノ。嘘がつけなくなる社会の到来。

IoT(モノのインターネット)時代に消費者にとっての変化は何か?

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昨日までの記事では、「IoT(モノのインターネット)とは」、「IoT時代のデータのポテンシャルと課題の大きさ」、「IoT時代のデータの所有権」、「IoT(モノのインターネット)ができるコト。4つの特徴」というテーマでお話しを進めてきました。

 

今日のテーマは「IoT(モノのインターネット)は消費者にとってどのような変化をもたらすのか」です。これまでのお話しは、"IoTサービスの提供側"、つまり企業やそこで働く人にフォーカスを当てることが多かったのですが、"IoTサービスを使う側"の視点になって考えることで、さらに理解を深めようと思います。

IoTで劇的に便利になる消費者向けサービス 「予測」、「パーソナル化」

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IoT(モノのインターネット)が社会浸透した際に実現されるサービスはかつてないほど快適で迅速で気の利いたサービスを享受できるようになります。

IoTが得意な"予測"による快適さと迅速さの実現

まずは快適さと迅速さですが、これは『予測』によって成り立ちます。IoT時代には、「あなたが所有するモノ」だけでなく「あなたの購買、運動などの行動や健康に関するデータまで」ありとあらゆるものが"データ"として収集されるようになります。

上の図は、前回の記事で使用した説明図です。ウェアラブル(装着可能な)機器で、患者の心臓の状態を常にモニターし、人工知能が異常が起こりそうな事を予測し予防に必要な薬を患者にドローンで運ぶように薬局に指示を出しています。人工知能はこの"いつもと違うパターン=異常"が起こりそうだと予測するのが非常に得意です。膨大な人のデータを分析すれば、

「Aという性質の人が、Bという行動パータンをすると、Cが結果として起こる」

という事を予測することができるのです。

この例では、ヘルスケアに関する予測が行われていますが、これを"購買" つまりショッピングで考えるとどうなるでしょうか。例えば、こんなことが可能になるのです。

 

(ショッピングにおけるIoTの活用)

ショッピングにおいてIoTのセンサー→データ収集→解析→予測という強みを活かせば、例えば、

「Dという性質の人が、Eというカラダ(心拍数)などの状態で、Fというスタイルのお店に入店すると、Gという商品を購入することが多い。Hという商品を過去に購入したことがある場合、その可能性は100%に近い」

という予測をすることができるのです。

この予測がされれば、「在庫切れによる販売機会逸失の防止」だけじゃなく、消費者にとっても、「お店に行ったら私の為の試着の準備ができていた」みたいなことができるのです。

下の画像のように、お店に向かうまでにあなたのスマートフォンやタブレットにお店から通知が来て「お客様が気に入りそうな、これらの服を本日はご用意しています」のように知ることもできるのです。買い物が楽しくなりますし、お店にも行きたくなるでしょう。無駄足になることも少なくなります。

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画像:Jerry E. Maldonado

これはサービスを提供する企業側が、以前お話しした、『データの流通市場』を介して購入した顧客のデータを利用して、「ユーザーにより便利なサービス」を提供しているのです。

誰にでもパーソナルコンシェルジュを提供できる

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画像:Forbes

上の例を見てもわかるように、「プロフェッショナルな知見をもったプロが、それぞれのユーザーの嗜好にあったサービスや製品をレコメンドする、パーソナルなコンシェルジュサービスを誰にでも提供する」ことが可能になりつつあるのです。これは、デパートに行って、「何を買ったらいいかわからない」、「どこにあるのかわからない」、という際にコンシェルジュを付けることができますが、これが誰にでも(0円で)提供することができるのです。これは消費者、デパート双方にメリットがあります。

これらはIoTと人工知能の組み合わせによって実現されています。人工知能はトライ・アンド・エラーを繰り返し、その予測や提案の精度をどんどん向上させていくのです。IoTが世の中に浸透することは=データの量が増えるということですが、これは人工知能にとっては学習機会が増えることを意味しています。

上の画像は、アメリカのデパートMacy'sでIBMが提供するワトソンという人工知能を使ってパーソナルコンシェルジュサービスを提供しているものです。まだまだ、パイロットですが、序章と言えるでしょう。デパートがこれまで蓄えてきた購買データなどが一気に活用され始めるのです。

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IoT(モノのインターネット)時代のメリットはあなたのデータを差し出すことで享受できる 

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画像:BizReport

ここまでお話してきた事例を見ると、「IoT(モノのインターネット)とは、あなた(ユーザー)が提供した"データ"を解析して、遠隔での制御や最適化や提案をし、あなたにメリットを与えてくれる」ということがわかりました。

こんなに便利だとしたら、消費者もデータを企業にどんどん差し出したくなります。しかし、「何も考えずにデータを提供していいのでしょうか?」

例えば、自宅に設置するセンサーやカメラなどのデータの類いは"誘拐"に利用される可能性があります。金融や健康に関するデータは"詐欺"に利用される可能性があります。

ある人物の事を、データによって深く知ることができるので、「超巧妙なオレオレ詐欺」なんかもIoT時代には可能なのかもしれません。このように便利な一方、悪用される可能性もあるのです。これはスマートフォンが普及した今もそうですが、より多くのものが世界中でインターネットに繋がるモノのインターネット時代にはより危険性が高まるのです。

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画像:Futurum 世界中のモノが繋がる。

 

以前の記事で書きましたが、IoT時代のデータについては、その課題の大きさ故に議論が活発です。「データはユーザーのモノだから、取得や利用の都度ユーザーが自由に決定できるべきだ」という意見がある一方「もはやプライバシーなどは存在しない、産業発展を進める為に、サービス側が出来る限り自由に取得・利用できるべきだ」というかなり傲慢な意見もあります。

私が必要だと考えるのは、「どの企業にならデータを預けていいか」「どのデータなら預けていいのか」を見極めようとすることです。闇雲に避けることは、消費者としてその素晴らしい利便性を享受できないことになります。

データを提供しようとする時(例えば利用規約に同意するとき)は一度立ち止まって、「この企業はとても信頼できるのか」、「データ提供の同意の取り方は誠実か」などを考える必要もあるでしょう。データの種類についても、「部屋の温度はいいけどカメラの映像は提供したくない」という判断をすることも懸命でしょう。企業の側はこのように消費者から信頼を得られる方法、必要十分かつ誠実でわかりやすい同意形成を目指すべきでしょう。

誠実さがより必要になる。IoT時代はもう嘘がつけない

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画像:Daily Mail

もう一つ、IoT(モノのインターネット)時代に消費者が気をつけないといけないことがあります。それは「もう、ウソはつけなくなる」ということです。すでにお話してきた内容からお分かりいただけるように、「広範囲・大量のデータの収集」と「その解析とパターンによる予測」から、ウソをついているかどうかが高度に判別可能になります。

例えば、生命保険の加入時の審査においては、書面での宣誓ではなく、あなたのヘルスケアデータ(例えばアップルウォッチに残る歩数や心拍数)だったり、運転のデータ(運転や行動記録から病気になりやすい性格か判別する)に変化して行くでしょう。SNSでの発言や交流関係なども対象になります。車にセンサーを付けて走行距離ベースで保険料を決めるテレマティクス保険などはいい例でしょう。

フィンテックと呼ばれる、金融業におけるテクノロジーの活用が進んでいます。このフィンテックにおいては、「これまでとは違った方法の与信審査」が行われています。まさしく、上でお話したような内容で審査を行い、より正確なリスク測定を行っています。これからの時代は、インターネットと繋がり、他のデータとリンクすることに同意するということは、分析の対象になるということなのです。※監視はまた別の議論です。

サービスを提供する側は「あなたが口から発した言葉ではなく、データを見ます」、そしてこれらの行動データはあなたの「信用」をつくるのです。この事を肝に命じておかないと、「大企業に勤めているのに、なぜかローンが組めなかった!」なんてことが起こります。これはあなたの金融情報ではなく、ヘルスケアの情報を見て、長生きしないし、出世しないパターンの人物であることを見抜いているからです。

 

少し最後は怖い話になってしまいましたが、IoT時代はとっても便利で快適です!"大切なデータ""繋がること"、ことをよく考えて、素晴らしいモノのインターネット時代を迎えましょう。

 

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