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マネーショート。リーマンショックの解説。CDO?MBS?サブプライム?格付け?空売り?結局なんだったの?アメリカの住宅バブルから経済危機までをさくっと学習!

マネーショートはリーマンショックを知るには最高の映画。しかも面白い!!!

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photo credit:eiga.com

あらすじとキャストはこちらから。いやーキャストが豪華。ブラッド・ピット、ライアン・ゴズリング、クリスチャン・ベール。とにかく面白かった。

予告編はこちら

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以下、キャラクターとストーリーについては触れず、できるだけネタバレがないように書きますが、書いてて若干ネタバレっぽくなってしまったので、知りたくない人はここで読むのやめて下さい!!

ciatr.jp

舞台はニューヨーク、2008年に起きた、リーマン・ショックと言われる、未曾有の金融危機が起こる前に遡ります。銀行員・投資ファンドのマネージャーなど、彼ら(複数の人物がフィーチャーされます)は自分たちが挑んだ一世一代の大きな賭けに熱狂しながらも、その裏に潜む巨大な闇に直面します。

劇中では、ストーリの進行とともに、リーマン・ショックのメカニズムが明かされていきます。

マネーショートの感想

リーマン・ショックのメカニズムは個人的に「そんな大胆な大規模な詐欺が、なぜこれほどまでの規模になるまで。。。」と思っていましたが、本作のストーリーから人間模様を知り、更に納得感を得ることになりました。

 

本作では、とにかく金融に関するワードが繰り返したっぷりなので、リーマンのこと知らなくて、これから見る人は、スムーズに話についていく為に、事前に予習していくといいでしょう。(しとけばよかった)そこで、リーマン・ショックに関することなので、当然解説しているサイトはあるのですが、自分なりにもう一度調べて理解したことを、できるだけ簡単に書いてみます。

※専門家ではないので、間違っていたらごめんなさい。

サブプライムローンって結局なに?

プライム(優れた)、サブ(下に)、つまり、「ちゃんと返済してくれるかちょっと怪しい人を対象にしたお金の貸し出し」です。お金を貸したら、元本に利息がついて返ってくる、これを受け取る権利を一般に債権といいます。アメリカでは当時住宅バブルが起きていていました。住宅を売るためにローンを提供する会社もたくさんありました。普通は、家を買うためには分割で、ローンを組むには、一定の収入がないといけません。が、仮に少し悪い条件(利息が高いなど)でもお金を貸してくれるところがあれば、収入が少ない人でも買うことができます。こういう人でもお金を貸し出して、住宅を買わせる。条件が悪くて返済に不安を覚え、ローンを組むことに躊躇しても魔法のコトバで説得します。「住宅の価格は上がり続けるので、返済が苦しくなっても家の価格は上がっているから売ってしまえば大丈夫、それどころか儲かるよ!」と。正しいんです。ただバブルなので、実態以上の価値になった資産はいつか調整されます。サブプライムローンでは、最初の数年間の返済条件が緩いなど、借りやすいように条件が調整されていました。貧しくても住宅が買える、多くの人が飛びつき、購入しました。そして、家を失い、借金だけが残った。

MBS(モーゲージ ・バックド・セキュリティー)って?

不動産担保証券のことです。はい、意味不明。上のサブプライムローンで、元本と利息と受け取る権利を債権と言いましたが、これを担保(返せなくなったら代わりに差し出すもの)とした証券です。証券化するということは流動(譲渡可能)化させて、売買できる状態にすることです。例えば、いっぱいお金があったので、家を買いたい人に長期でお金を貸したんだけど、その後状況が変わって急にお金が必要になった、という時に、証券化されたこの権利(債権)自体を売ってお金にすることもできますし、この権利を担保にしてお金を借りることもできます。証券化が大事なのは、この権利を受け取った人が更に譲渡できる(流動性がある)ようにするためです。リスクがあるのに自由に転売できないものを買う人はいません。この権利の価値(価格)は、お金を借りている人がちゃんとお金を返してくれるのか(リスク)に基いて算定されます。リスクが高ければ、価値は低くなり、リスクが低ければ、高くなる、これが基本です。サブプライムローンの場合は、このリスクが相対的に高い人に貸しているので、リスクは基本的に高いはずですね。アメリカでは、個人の返済能力をFICOスコアという点数を用いて評価しています。この点数で金利や条件が変わるので、自分のFICOスコアが落ちないように、返済の遅延などにすごく神経質になっています。なぜ、このような信用の低い人達にローン会社がお金を貸し出せたかというと、構造上、もう2つ大事な要因があり、一つは、住宅政策の為、万が一の時は政府が保証してくれるという暗黙の政府保証があると信じられていたこと、もう一つはこのローン会社が保有する権利を買ってくれる人たちがいたからです。破綻したベア・スターンズやリーマン・ブラザーズなどの投資銀行です。なぜ買っていたのかというと、次に説明するCDOという商品を作る為です。

CDO(コーラタライズド・デッド・オブリゲーション)って?

collateralized(コーラタライズド)とは担保されたという意味で、CDOは「債務担保証券」と訳されます。要するに借金の返済(債務)において、担保がある証券。ぱっと見、購入した家を担保とする、MBS(不動産担保証券)と意味は一緒です。しかし、CDOの場合、複数の担保(種類・信用度が様々な)を持つ債権を混ぜて、新しい証券(金融市場では商品)を作り上げる時に使われることが多いようです。この混合CDO、厳密にはCDO2と呼ばれれるそうです。混ぜるということはどういうことかと言うと、「A:返済信用度100、安全」、「C:返済信用度40、心配」、みたいな債権を混ぜて「B:返済信用度70、まぁ大丈夫!」みたいな商品を作ることです。ここまでは、まだ良いんですが、次に説明する格付け機関と結託することによって、オモシロたち悪い事ができます。

格付け機関とは何をする機関なのか

格付け機関は、これまで説明してきた証券の採点をする人たちです。例えばこの住宅ローン債権を担保にする証券について、販売する側が安全だと言っても、そのリスクは個人の返済能力がベースなので、上で述べたように混ぜられたら(例えば、1000人分の家の資産価値を確認したり、個別の返済能力を確かめるって無理ですよね)、どう安全なのか、調べて判断するのは容易ではありません。この証券に限らずありとあらゆる証券を代わりに評価するのが格付け機関です。A+とかAとかBとかCとかという形で成績のようにレベル分けされます。ムーディーズとかS&Pといった会社がこの格付を行っています。個人のスコアであるFICOと同じように、企業の資金調達においてはこのスコアで利息が決まったりするので、金融市場ですごく重要な役割を担う会社です。

上で説明しましたが、信用度Cを売るために、Aと混ぜてBにする。これは格付けもBになりそうです。だけど、CとCを混ぜて、それをAにして売ることができたらハッピーですよね。この混ぜるという行為、見方を強気に変えると「リスクが分散されて安全だよね」とも言えます。頑張れば言えます。

CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とは

クレジット(貸し付け)、デフォルト(債務の不履行)、スワップ(交換)、意味不明ですが、本来どういうものかと言うと、債務が不履行になった時に、保証してくれるものです。例えば、私が1億円どこかに貸していて、お金が返ってこなくなった、その時に、このCDSにより、CDSを引き受けた相手先が保証をしてくれます。私は代わりに、決められた期間、相手先に保険料を支払います。保険はその対象とするイベントの発生確率によって、保険料などが決まり、何も起こらなければ保険料を払うだけ、起これば契約に基づいて支払がされる、確率なのでギャンブル性があります。このCDS、金融派生商品と言われます。デリバティブとも言われます。日本の大学もデリバティブで損失を出したのはニュースになりましたね。このCDS、なんと債権を持っていなくても、相手だけいれば、買えます(契約できます)。賭けと同じで相手がいれば成立します。つまり、「もし、市場に出回っている、この会社の社債が不履行になったら、私に1億円払ってくれ、起こるまでの間、あなたに毎月100万を払い続ける」みたいな契約を結ぶことができます。つまり、どれだけでも、金融商品を作り出すことができます。商品が多ければ多いほど販売手数料が儲けられます。儲けの為に、無から捻り出して商品を作った、これが金融派生商品の一面です。この賭けを受けるかどうかの判断や、条件の評価において、格付け会社の評価も当然参考にします。いわゆる、リーマン・ショックにおいて、このCDSが爆弾になります。AIGという巨大保険会社が、「リーマン・ブラザーズが破綻したらお金を払います」という賭けをするCDSを引き受けて、売りまくっていたのです。その額なんと何十兆円。無理です。払えません。債務不履行なんて言うと格好がいいですが、払えるだけのお金を持ってないのに、賭けに乗るなんて、って一般に置き換えるとタチが悪すぎます。

空売りとは

これは馴染みがあると思うのですが、空売りというのは「価格が下がると思ったものを借りてきて売る、実際に価格が値下がりした時に買って返す」というのが基本です。価値が下がった時に利益を得ることができる。つまり、このCDSを契約するという行為も一種の空売りです。リーマンの発行する債券の価値が下がったら、利益を得られるということなので。当然、価格が下がらなかったら、損します。CDSの場合は、保険料を継続的に払い、何も起こらなかったら、その保険料がそのまま損失になります。

リーマン・ショックはもっと細かく説明できますが、僕には無理。笑 複雑すぎ。でも、色々調べて、聞いて書いてみました。映画もこれだけ知っていれば、理解できるような気がしています。オデッセイもインターステラーもそうですが、映画は予習していくと面白い(いつも後悔)。それはそうと、リーマン・ショックの時代に、スマホが当たり前で、twitterとかあったら少しは状況変わったのかな。2chでは当時なんて書かれていたのだろう。。。

 映画はこちら

原作はこちら

世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)

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