急成長中の世界のユニコーン②OfferUp(オファーアップ)について調べてみた
スマホで写真を撮って、価格を入力して、アプリにポストして販売。日本だと山田親太朗社長が率いるメルカリが有名です。今日は急成長の世界のユニコーン、OfferUp(オファーアップ)についてです。
企業名:OfferUP https://offerupnow.com/ ※日本のIPからは見れないようです。
評価額:$1B 以上(推定、2015年11月の資金調達時)
所在地:シアトル
創業年:2011年
資金調達先:Andreessen Horowitz 他複数のVC
CEO:Nick Huzar(https://twitter.com/nickhuzar)Arean van Veelen (https://www.linkedin.com/in/arean)
事業内容:C to C のモバイルマーケットプレイスの提供
“OfferUp is changing how people buy and sell locally by making it as easy as taking and sharing a photo from your phone. We are a rapidly growing team in Seattle looking to bring on more passionate, motivated, and curious people who want to be a part of our fast growing marketplace.”
https://www.crunchbase.com/organization/offerup#/entity
前回同様に、昨年、2015年のForbesのHottest Startupから選出しています。#4です。
彼らが取り組む課題とソリューションについて
冒頭に書きましたが、OfferUPはスマホを使って簡単に出品、購入ができるマーケティングプレースを提供してます。アメリカならではですが、オンラインのガレージセールを当初はイメージしていたそうです。
事業アイデアはCEOのNick Huzarが、彼の娘の為に部屋を用意しようとした時に、部屋には使っていないモノで溢れ、もし捨てずに処分をしようとしたら、途方もない時間が掛かると感じ、もっと良い手段があるべきと感じた瞬間からきています。捨てずに処分というのは、当時、アメリカCraiglist(クレイグリスト)、Ebay(イーベイ)などで出品することはできるが、スマホ時代に適したUIでなかったり、用途が広いので、不要品の出品という(ありふれた)用途に最適したものではありませんでした。出品するのも時間が掛かる。写真を撮って、アップする、買い手がまず欲しい情報はこれだけなのに。
OfferUpはユーザーの取引に介入しません。あくまでプラットフォーム上での仲介のみ、ユーザーはアプリに内蔵されているメッセンジャーで、引き渡し場所などを取り交わし、現金などで取引を完了させます。
こちらの動画にもありますが、平均して$7,000相当の不要品が各家庭にあり、4人に1人が不要品のせいで止められないガレージを所有し、11人に1人が保管するスペースを借りているそうです。
Quiet?静かに成長したOfferUP
前回のアップテイクテクノロジーでは、彼らが秘密主義であることを書きましたが、今回のOfferUpはQuietと表現されています。(ユニコーンと評されIPOでお金の事ばかりで騒がれて、、集中できなくなるのがいやなんでしょうか。笑) 特に、資金調達とValuation(バリュエーション)については語ろうとしていないようです。昨年の夏~秋にかけて、よりメディアに登場するようになっています。ユーザー数なども開示していないですが、昨年の11月時点でダウンロード数は1200万を超えているようです。
“TC: How many users do you have, and how often do they return to the platform?
NH: We don’t talk about registered users and [monthly active users], but our app has been downloaded more than 12 million times. It ranks around the 51st most-downloaded app, behind all the social games and everything else.”
未だ、売上はない(マネタイズをはじめていない)
上述の通り、現時点で彼らはユーザーの取引に直接介入していません。つまり、取引ごとや、決済額に応じてに手数料を課すことはしていません。また、広告を表示するというなどのこともしていません。$10Bの価値がつく企業が、売上がないというのは、投資する側の視点に立つとゾッとしますが、間もなくマネタイズを始める用意があること(手段は明らかにしていません、昨年のOfferUp上での取引は$2.9B以上とのこと)を示唆しています。
後にも述べますが、この手のアプリは厳しい競争にあります。ユーザーエクスペリエンスの質を下げないよう、慎重にマネタイズの方法とタイミングを探っているのかなと、またビジネスモデルの大きな資金調達になっているのも、人材確保とマネタイズまでの我慢比べに必要な資金なのかなと思っています。
以下は、OfferUpに投資している。Andreessen Horowitz(アンドリューセン・ホロウィッツ)のパートナーJeff Jordanのコメントです。「収益を上げる前の会社でもポテンシャルがあれば投資するし、Pinterestもそうだったよね。」という内容です。
“It’s a pre-revenue company and it’s one of the reasons they call it risk capital,”
“You invest in pre-revenue, pre-business model companies if you think that platform has commercial potential or intent. Pinterest was pre-revenue a few years ago and look at it now.”
激しい競争と差別化
競合としてトロントに本社を持つ、VarageSaleが挙げられます。セコイア・キャピタルから資金を調達しています。OfferUpがオープンなコミュニティで取引ができるのに対し、VargeSaleは地域ごとに決められたコミュニティが存在しその中で取引を行います。アプリをインストールしましたが、まず出てくるのは、地域とコミュニティの発見です。OfferUpはこれまで述べてきたように取引をシンプルにするだけなく、安全に取引ができるようすることを強調しています(IDを撮影しアップすることが求められます)、この地域ごとのコミュニティの中でしか取引がというのも、安全安心を実現するためのアプローチですね。他の競合として、5miles, Close5,Letgoなどが挙げられます。メルカリもアメリカに進出しており、C to Cのマーケットプレイスでばっちり競合しています。また、アメリカに住む機会があれば、試してみたいと思っています。
Capital and others, has one fundamental distinction in that buying and selling is done in heavily regulated communities where a local administrator screens and approves members.
CEO Nick Huzarについて
Nick Huzarについてです。(すいません、また途中で時間切れ。。。追記するかも。)
Youtubeのインタビューと、geekwireの記事を見つけました。
事業に対する想い、起業と会社運営に対する考え方を垣間見ることができます。
Nick Huzar (OfferUp) at Startup Grind Seattle
以上!