メルカリの最大のライバル、米国 Offerup(オファー)のユーザー利用時間が急上昇。CtoCマーケットプレイスのユニコーンが成長中。
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シリコンバレーのスタートアップは最近元気がない
昨今、セラノスやZenefitsなどユニコーンと言われる企業のスキャンダルが報じられたり、ユニコーンのバブルについて各所で言及されたりしているので、自分が過去に注目して取り上げたユニコーンがその後どうなっているのかを調べていました。
散々、賞賛されて落ちていったセラノスを見ていると、伝える人たちの責任を感じています。そもそもスタートアップ関連やIT領域は変化が早かったり、不確実性が高いので、自分は正直あまり気にせず書いていますが、少しでもフェアに書ければと思っています。
今日は日本でも有名になってきたメルカリのアメリカにおけるライバルである、Offerup(オファーアップ)について。
少しおさらいします。前回、書いた記事から引用します。
OfferUPはスマホを使って簡単に出品、購入ができるマーケティングプレースを提供してます。アメリカならではですが、オンラインのガレージセールを当初はイメージしていたそうです。
事業アイデアはCEOのNick Huzarが、彼の娘の為に部屋を用意しようとした時に、部屋には使っていないモノで溢れ、もし捨てずに処分をしようとしたら、途方もない時間が掛かると感じ、もっと良い手段があるべきと感じた経験からきています。
捨てずに処分というのは、当時、アメリカCraiglist(クレイグリスト)、Ebay(イーベイ)などで出品することはできるが、スマホ時代に適したUIでなかったり、「不要品の出品」という(ありふれた)用途に適したものではありませんでした。出品するのも時間が掛かる。写真を撮って、アップする、買い手がまず欲しい情報はこれだけなのに。
OfferUpはユーザーの取引に介入しません。あくまでプラットフォーム上での仲介のみ、ユーザーはアプリに内蔵されているメッセンジャーで、引き渡し場所などを取り交わし、現金などで取引を完了させます。
参考:急成長中の世界のユニコーン②OfferUp(オファーアップ)について調べてみた - TottokoProject
オファーアップの成長、一日のユーザーの利用時間が半年で倍増し25分に
OfferUpについては、公開情報が元々少ないのですが、こちらのグラフを見つけて、ビックリしました。インターネット関連産業のリサーチを行っている、KPCBのインターネットトレンド調査のデータです。
参考:2016 Internet Trends — Kleiner Perkins Caufield Byers
比較対象となっている、サービスを見るとInstagram、スナップチャット、ピンタレスト、フェイスブック、など大手のソーシャルメディアサービスが並ぶ中でフェイスブックに続いて2位そして、1番の成長率になっています。日本でもメルカリが成長を続けていますが、Instagramやピンタレストで情報を集めて、CtoCのマーケットプレイスで安く購入する若者が増えているのでしょうか。平均25分の接触時間は長いなと思います。
オファーアップの特徴として、書い手と売り手のコミュニケーションはアプリ内で完結できることにあるのでこれによっても接触時間が長くなっているのかもしれませんね。
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また、このラインナップを見て思ったのは、ユーザーのオンラインでの時間の消費は、とにかく画像や動画などの視覚系メディアに寄って来ているということです。ピンタレストもInstagramもスナップチャットも。Offerupもそのユーザーインターフェイスは視覚よりで、その見ているだけでも楽しいウィンドウショッピングのような体験を提供してくれます。また、Offerupは近所の人との取引を基本としているので「それを実際に見にいける」という前提がよりワクワクさせるのかもしれませんね。これも接触時間の伸びに作用している気がします。少し遠くてもアメリカでは高校生から車が運転できるので距離や運搬がそれほど問題になりませんし。