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スマートウォッチが「手放せない」アイテムになり、爆発的に普及する為にはどのような点で進化しないといけないのか。アップルウォッチと市場の現況から考察する。

スマートウォッチ市場の現況。現時点の勝者はやはりアップル。

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僕がApple Watch Series2を購入してから、しばしの時が経ちました。初代のアップルウォッチや他社のスマートウォッチと比較すると、個人的にはかなり完成度が高く洗練されていると感じています。詳細に調べてはいないですが、アップルウォッチが(価値がある)アプリケーションの数としても最も多く、日本ではApplepaySuica決済に対応した事もあって「スマートウォッチを買うならAppleWatchという感になっている気がします。日本ではiPhoneのシェアが他国と比較して高い事も要因です。

上の画像はIDCが発表したスマートウォッチのシェアです。AppleWatch Series2が本格出荷される前のデータなのですが、それでもアップルウォッチのシェアが最も高いです。恐らくウォッチ2の発売後のシェアはもっと高いのではないかと予想されます。Garminはランニングやトライアスロン等のスポーツに特化したスマートウォッチなので、汎用性スマートウォッチの実質的な唯一の競合であるサムスンとのスマートウォッチ市場での力の差は明らかでしょう。

それでもスマートウォッチをしている人を街であまり見かけない

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画像:http://i.meet-i.com/?p=181902

それでもAppleWatchを含むスマートウォッチをしている人をなかなか日本で見掛ける事が少ないのが現状です。AppleWatch 2が日本でもApplePay及びSuicaに対応した事で、日本でも爆発的に増えるかと思いましたが駅の改札で私と同じように「時計を改札機にかざしている」人をまだ見たことがありません。

実は、友人でスマートウォッチをしているのを見たことがあるのも片手で数えられる人間しかいません。一人はサンフランシスコでウェブサービスを立ち上げている友人、もう一人は通信系の企業にコンサルティングサービスを提供している友人。つまり、依然としてスマートウォッチは「テクノロジーが好きだったり、新しいものに触れるのが好き(ないし必要がある)だったりする人が使い始めている段階」であると感じています。

下記のリンクの統計調査によると、「アメリカでは8%の人がアップルウォッチを所有している」そうです。12人に1人と言われると、あり得なくもない数字です。それでも、まだまだ市場が盛り上がっているとは言い辛い状況です。

参考:http://expandedramblings.com/index.php/apple-watch-statistics/

 

スマートフォンであるiPhoneと異なり、AppleWatchであるスマートウォッチが難しいのは、必需品ではないということです。これはiPadを含むタブレット端末も同じですが、「あるといいけど、なくても困らない」という位置づけなのです。

 

これは完全に一個人としての願いなのですが、「スマートウォッチがもっと普及して、市場にイケてるアプリやサードパーティの製品(ケースとかバンド)がもっと増えて欲しい!」と思っています。以前の記事で「アップルウォッチのアプリ50選」を書きましたが、正直な感想として種類も完成度も「iPhoneと比べるとまだまだ」なのです。

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故に、アップルだけでなく、Android(アンドロイド)勢にも頑張ってもらって、健全な競争な中で製品やアプリ、それによるユーザー体験が洗練されていって欲しいのです。

そこで、今回は「スマートウォッチの更なる普及の為には、どのような点で進化しないといけないのか」を勝手に考えてみました。

スマートウォッチが「手放せない」レベルのアイテムになる為に、を考えてみる

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スマートウォッチが「手放せないレベルのアイテムになる」、つまり「スマートフォンと同じレベルの必要性を感じる」ようになる為には、3つの要素で強化されることが必要だと感じています。

1.腕時計であるという「独自性」の強化と活用

スマートウォッチはその名の通り「スマートな腕時計」です。そして、「腕に」「スマートな」コンピューターがあるという点がスマートウォッチの「独自性」だと考えています。

この「腕時計」×スマートさ」という点で、現状のスマートウォッチがユーザーにどのような体験を提供しているのかをまず考えていきます。僕はアップルウォッチしかヘビーに使った事がないので、説明は全てアップルウォッチを用いて行います。

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画像:ナイキ

まず、アップルはナイキとコラボレーションしてランニング関連のアプリケーションを強化したり、防水機能を搭載してプールでの水泳やオープンウォータースイミングに対応したりスポーツに特化しています。アップルのマーケティングからもこの点を強調している事が伺えしれます。これはアップルがスポーツ分野でアップルウォッチが特別な体験を提供できると確信しているからですよね。これは、スポーツをする時に「腕時計であれば邪魔になり難い」という独自性が生み出す利点に、「IT×スポーツで、その体験をリッチにできる」というIT(スマートさ)の強みを掛け合わせて、ユニークで素晴らしいユーザー体験を提供しているのです。

 

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画像:Axeetech

この視点から、AppleWatch×ApplePayでの決済も同じように考察することができます。「腕時計は財布と違い、取り出す必要がない上に、決済をしようとする時に、決済端末と最も距離が近い」という独自性が生み出す利点に、「オンライン上でのチャージやデジタルなレシートの発行と保存といったスマートな決済」というIT(スマートさ)の強みを掛け合わせて、ユニークで素晴らしいユーザー体験を提供しているのです。

 

アップルウォッチ(スマートウォッチ)が提供するこの2つ体験は、一度使うとユーザーがスマートウォッチを「手放せない」と感じるようになる体験の有力なもの1つです。キラーコンテンツとも言えるでしょう。

 

しかし、個人的にはまだこの「腕時計」×「スマート」による独自性の発揮は可能だと思います。いくつか説明します。

 

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画像:Youtube
まずは鍵」です。これはスマートウォッチメーカーが「スマートロック」を提供するIoTのプレイヤーと積極的に組んで普及させるべき領域だと考えています。ポケットやカバンからカギを探すという経験は誰しもが体験するはずです。これがスマートウォッチの中に収まれば、カギを携帯する必要がなくなります。これは決済での「独自性」×「スマートさ」そして、単純なモノとしてのカギと異なり、スマートウォッチがカギ化すれば、「いつ、誰が施錠/解錠したか」が全てログとして残ります。実は既にスマートウォッチと対応したスマートロック製品は市場にありますが、キラーコンテンツになり得ると感じています。賃貸マンションや賃貸オフィスのカギが、建て替えやメンテナンスのタイミングでスマートロック化が検討される普及してくれば、「スマートロックがあるからスマートウォッチを買う」という層が出てきてもおかしくないと思います。スマートロックに限らずIoTホームデバイス全般はスマートウォッチと相性がいいと思います。

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画像:Cult of Mac

次はIDカードを含む多種多様なカード」としての機能です。例えば、免許証や保険証やキャッシュカードやオフィスのセキュリティカードなどです。アナログなカードをデジタル化する取り組みはスマートフォンでも行われていますが、理想形はカギや決済と同じくスマートウォッチです。これも「パっと取り出せて」、「デジタル化されると」便利でキラーコンテンツになり得ると思います。

ここまでいけば、カギ、財布、カード(身分証明書やセキュリティカードを含む)といった普段持ち歩いて、取り出す頻度が多いモノののほとんど全てをスマートウォッチに内蔵することができます。更に言うとAppleWatchは「TouchID」での指紋認証に対応していませんが、デジタル×指紋認証などの「バイオメトリクスな認証」で本人認証ができるようになれば、契約や行政手続きなども「手ぶら」でいけるようになるかもしれません。

アップルを含むスマートウォッチのプレイヤーには、サードパーティのベンダーと連携しながら、キラーコンテンツの普及・強化をして欲しいなと思っています。特にSamsungIoTカンパニーのSmartThingsを買収したりしているので頑張って欲しいし期待しています。アップルはストアで扱うIoT製品をもっと熱心に売って欲しいなと。

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2.カラダとの「密着性」を活かしたヘルスケアでの利用

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画像:HuffingtonPost

これもスマートウォッチが「腕時計である」ことの独自性の一種ですが、カラダとの「密着性」という言葉で分けて考えていきたいと思っています。スマートウォッチが登場する前のウェアラブルデバイスといえば、「FitBit(ふフィットビット)」や「Jawbone(ジョーボーン)」等のヘルスケアに特化したデバイスが中心でした。歩数や消費カロリーなどのアクティビティトラッカー、心拍数の常時測定、睡眠のトラッキングなどといったデータを、腕に装着したブレスレットを用いて収集し、アプリケーションで可視化したり、分析データを提供したり、アドバイスをしたりといったものです。

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画像:healthinformatics

実はこれらの全てはアップルウォッチでも実現することができます。AppleWatchを装着していれば、アップルが提供する純正のアプリケーションで、心拍数、歩数、消費カロリー、運動の記録などはほとんど全て自動で収集してくれます。しかし、それだけなんです。日々のカラダのデータが残ったり、それを元に「もっと歩きましょう!」といったリマインドをしてくれるのは悪くはないんですが、もっとクリティカルなメリットが必要だと考えています。

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画像:Theranos ※これは詐欺でした。

スマートウォッチだけではハード性能の限界もどうしても出てきますが、現時点での実現可能性を度外視して、ワガママを言えば、まずは収集できるデータの種類が少ないのです。例えば、最近話題になっている「血糖値」のデータもそうですし、「体温」も常時測定できたら嬉しいです。これは、メディカルIoTに取り組むメーカーによってサードパーティ製品が出揃う事を願う一方で、スマートウォッチのメーカーも積極的にセンサーを小型化・高度・低価格化にする等で「スマートウォッチだけで収集できるメディカルデータ」の数を増やして欲しいなと思います。

 

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画像:MacRumors

 

もう一つは収集したヘルスケア・メディカルデータの現実の医療現場での利活用の問題です。「病院に行ったらアップルウォッチに内蔵された診察券でタッチをすることで受付ができて(保険証データの提示も)、患者の同意の下で直前2週間のヘルスケアデータや基本のメディカルデータ(自分の過去の病歴や薬の服用歴)も提供できる」「服薬後にアップルウォッチで収集されたデータはドクターに自動送信されて、再受診や薬の変更の必要性を遠隔で判断してもらえる」といったレベルまで実現して欲しいなと思っています。

 

日本の病院のシステムやヘルスケア領域は「実現可能なポテンシャルの10%も発揮できていないんじゃないか」と思うぐらい、イケてないです。これだけインフラが整っているのにもったいないと思います。高齢化で患者数が増え、医療リソースを最適化しないといけない中で、効率化の為にアベイラブルなテクノロジーは積極活用して欲しいなと思います。

3.生活必需品としての「快適性」の向上

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画像:Apple

AppleWatchを使い始めて、その快適性について感じる事は「それなりだがまだまだ」ということです。まずは、バッテリーです。外出する日に、AppleWatch2をそれなりに使う日は夜は充電しないと次の日の昼ぐらいにはバッテリーが切れてしまいます。この状況では、1.で説明したようなカギや決済などの要素で利用する場合に安心感を持つことができません。そして2.のヘルスケアでの活用においても、「データ取得の中断」が発生してしまうのです。


「バッテリーが切れて決済ができない事がある」というレベルでは、ユーザーは財布を完全に手放せません。

※SuicaはFelica内にデータが残っているのでバッテリーが切れてもOKなのですが、ApplePayでIDやQuickPayを使う場合はバッテリーがないとNG。


「バッテリーが切れてデータが取れていない時間がある」というヘルスケアサービスでは、ユーザーは完全に信頼することができません。

 

ここはテクノロジーのブレイクスルーが必要です。「1回の充電で1ヶ月バッテリーが持続する」、「1分でフル充電できる」というイノベーションの話やニュースを近年よく聞くようになりましたが、早く実装して欲しいです。

スマートウォッチに求められる「快適性」のもう一つの要素は「操作性」です。指を使ってスマートウォッチの小さな画面でコンピューターを操作するという「難しさ」はアップルもよく理解しています。故に「デジタルクラウン」を搭載し、「Siri」を活用した音声入力や操作を、ユーザーインターフェースの中心に置いているわけですが、これもiPhoneの完成度と比べるとまだまだのレベルです。

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画像:dailymail

 

どうしても「どう操作すれば目的が達成できるのかわからない」という場面に遭遇しますし、音声入力も精度がイマイチです。特に日本語はイマイチ。徐々に改善されていくのだと思いますが、特に音声認識は早期に改善しないと、爆発的な普及の妨げになると思います。※今でも精度は良いんですが、ストレスはあります。

 

まとめ:スマートウォッチの更なる普及の為に

ここまで書いてきて、やはり、「かなりワガママで妄想が入った希望論」になってしまいましたが、実現可能性がゼロのアイデアはないなと思っています。アベイラブルな技術をギリギリ組み合わせればどれもできる気がします。それをストレスない製品とサービスにするのが至難の業なのですが・・・

それでもやはり、現時点でアベイラブルなIT技術の活用方法を考えたり、これから来るIoT(モノのインターネット)時代を妄想したりするのは面白いなと思いました。

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画像:Pinterest

 

そして「アップルウォッチはまだまだ」といった印象を与える記事になってしまいましたが、「現時点でも十分にイケてる製品」です。これは以前に記事にしているので是非お口直しとして御覧ください。今回の記事は「もっと!」というワガママな記事です。

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以上。